先月下旬に見たニュースがこちら。
幼形成熟とは幼生の形態を残したまま成熟し繁殖能力を持った個体のこと。具体的にはエラがアゴの後ろから生えたままになっています。ウーパールーパーが有名ですね。エゾサンショウウオの幼形成熟個体が90年ぶりに発見され,それがアクア・トトぎふで展示されているということで見に行ってきました。
こちらが幼形成熟のエゾサンショウウオ。アゴの両側に外鰓(がいさい)が生えているのがわかります。通常の成熟個体との違いはそれだけじゃなくて,アゴが大きい(エサが大きいのか),尾が縦に平たく大きい(遊泳への適応か),皮膚の色が違うし質感も違う(どんな意味があるのか),などなど。パッと見た感じは別の種に見えます。そして外鰓は捕獲時に比べて少し小さくなっているのだとか。
ここで展示されているのは同時に捕獲された3個体のうちの1個体だそうです。すでに北大の研究者が,精子が受精可能であることを確認しています。今後はアクア・トトで交配を重ねて飼育条件の確立とともに表現型の表れ方がどうなるのかなどを調べるそうです。そもそも幼形成熟は遺伝子の結果なのか環境の結果なのかもわかっていないということだそうで。そういうわけで飼育担当T氏がんばれ!
こちらは通常の成熟個体。エゾサンショウウオとクロサンショウウオ。
水族館には魚類だけでなく両生類も爬虫類も,なんなら鳥類哺乳類もいるのです。さあ見にいこうぜ!
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2022-01 aqua totto gifu | Flickr