愛岐トンネルの秋の特別公開に行ってきました。10年ぶりくらいかな。中央西線定光寺駅から歩いてすぐ。
愛岐トンネルは中央西線の高蔵寺多治見間にある愛知岐阜県境の長いトンネルです。これは中央西線の複線電化に伴って開通した新しいトンネルで,それまでの非電化単線のトンネル群は草薮に埋もれるままに長い間放置されていたのですが,それが近代化産業遺産として発掘され,今では毎年,春と秋に一般に公開されているのです。
1900年開通。レンガ造りの風格。蒸気機関車の煙に燻され続けてきた内部の色合い。1966年の新線開通まで使われました。
トンネルの入り口に生えたこの木は,1966年以降に発芽しここまで成長してきました。
左下から右上に伸びるひび割れは,脱線した蒸気機関車の衝突の痕跡だそうです。
ところどころに元線路から川まで降りられる道がありました。庄内川の水面に映る紅葉の赤色が美しい。
犬釘(枕木にレールを固定するための釘)の断面が四角なのは何か意味があるんだろうな。
インバートが見えるように一部掘られています。インバートとはトンネルを構造的に強くするために,トンネル下部を下向きのアーチでつないだ構造のことです。環状にすることで馬蹄型より強くなります。
現在は愛知岐阜県境まで1.7kmの範囲の4つのトンネルが公開されています。岐阜県側には多治見駅までの間に7つのトンネルが廃線となって残されていますが,こちらはいつになったら歩けるようになるでしょうか。
中央西線開通前に拓かれた玉野古道が一部歩けるように整備されていました。玉野古道は峠の山道を避けて多治見から名古屋に行けるように明治になってから作られた道ですが,中央線の工事によりすぐに使えなくなってしまったそうです。
山から流れてきた水を,線路の下を通して川に流すための暗渠。上から覗くとこんな感じ。上半分はコンクリートですが下側はレンガです。
玉野古道側から入れるようになっていたので入ってみました。暗渠を下から見上げるとこんな感じ。
ブランコとか水車とか,それ近代化産業遺産と何か関係あるの?と言いたくなるようなものもありますが,それはそれとして,レンガ造りのトンネルや砕石の撒かれた道などはとても素敵なところです。今年の秋の公開は今週末12月6日までです。
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